REKCS 2019 作品解説

観てくださった方にも、これから観る方のためにも展示写真に関することを知れたほうがおもしろいのかもしれないと思い、作品解説をしたためることにしました。

といっても、そんなに大した技術を用いているわけではないので基本的に撮影風景の記憶を辿る、いわゆる「思い出日記」に近いものになることは先に述べておきます。



■惡AI意 SIZE : B0

【WHO】惡AI意

【WHAT】惡AI意 presents The Sounds Of Hearts【Against All Madness 】

【WHEN】2019/04/20

【WHERE】cheerz

チアーズというライブハウス、ハードコアの時には殊更に照明が暗い。そこでクリップオンを使用することにした。最近使用しているクリップオンはもっぱらGODOX製で、純正はとうの昔にやめたし今後も使う予定はない。

使用機材 EOS80D EF-S 35mm f2.8 MACRO

ISO6400 ss 1/100 f2.8 

ピント合わのためにクリップオンの赤外線発光を使用している。クリップオンの向きは真上バウンスだったはず。とにかく目にピントをバチバチにあわせたくてこの設定にしたのを覚えている。

こういう撮影現場は、そこかしこでモッシュやダイブが起きているためぶつかってクリップオンの向きがかわっていたり、絞りのダイヤルがあたって変わっていたりする。

その中をかきわけて目の前で撮影していた。たしか思いっきり誰かの肘が胸にHITして久しぶりに苦しかったのも覚えている。そのことを外の駐車場でタケオと話した記憶がある。

Fisheyeにばかり偏っていた自分の写真を一新すべく単焦点レンズで撮影をリスタートしたのが2015年だったが、ここにきてやっと納得のいく写真が撮れたと実感した。

今回の展示は、この写真をB0で展示したいと思ったことからスタートしたといっても過言ではない。それくらいには気に入っているライブ写真だ。



■HABANA  SIZE : B0

【WHO】HABANA

【WHAT】WISE 4thAnniversary

【WHEN】2019/02/13

【WHERE】graf


リッキーが抜けてマモルが加入した新体制のHABANA一発目のライブだった。

場所は意外にもgrafだった。彼らのライブをgrafで観るのは初めてだった。

開演前にメンバー全員でこのポーズをとるのは知っていたので、ベストポジションを探した。シンメトリーが好きなのでできれば真俯瞰で撮影したかったが不可能だったので、可能な限り手を上にあげて背伸びをして撮影した。

使用機材は、

EOS 80D  Tokina 10-17mm fisheye f3.5-4.5  

iso 1600 1/100 f4.5

これにクリップオンをつけて付けて、やや後ろバウンスで全体に光がまわるようにした。カメラを傾けた角度の分だけ計算してクリップオンが真上に向くことをイメージして角度をつけた。

isoをあげてもう少し絞ってもよかったなと反省している。

ちなみに、80Dはバリアブルモニターなので基本的にモニターである程度見ながら構図を調整した。これだからバリアブルモニターはやめられない。

ありがいことに彼らもこの写真を気に入ってくれているのかいろんなフライヤーなどで掲載されているのを見る。

ライブが始まる直前の彼らの雰囲気が伝わればうれしい。

展示直前で辞退者が出たおかげで、この写真をB0で展示できるスペースを獲得できた。

途中辞退者の君、ありがとう。その点のみ感謝



■彼女 IN THE DISPLAY   SIZE : A1

【WHO】彼女 IN THE DISPLAY

【WHAT】GETUP!!ROCKERS!!TOUR

【WHEN】2018/08/03

【WHERE】DRUM BE-1


このパークサイドギャラリーという公道みたいなところで全身タトゥーだらけを展示したかった。HABANAでもそれがかなっているが、同時に彼のことを思い出したので展示することにした。

ドラマーを撮るのは難しい。いや、最近はそうでもない。なぜならドラムの横まで行ってしまえばわりと撮れるからだ。キースフラックなどの「ドラムの横まで行けないライブハウス」は大変だ。正面からしか撮影できないし、ベスポジは決まって真ん中よりやや右、左の場所だからだ。

端っこまでいくといろいろなものが邪魔をするので、端っこよりもすこしだけ真ん中に近いところがベスポジなのだが周りの邪魔にならないか気になるのでなかなか・・まぁ、そうは言っても撮るべき時にはその場所に行くしかないのだが。


使用機材

EOS 6D MARK2  EF17-40 F4

ISO400 1/125 F4.5 クリップオン無し

ドラムのスティック部分がぶれるようにシャッタースピードの調整をしたと思う。

あとは適当


あと、一緒に展示しているアー写についても。

当時の記憶として「福岡らしさが出る背景」を依頼されて、いくつか候補があったが様々な理由によりこの場所での撮影となった。

KYNEのグラフィティの前で撮影できてたらなぁと、未だに思う。

そして、この場所。前日どころか数時間前まで大雨が降っていた。

AM4:30に美容室HACKを出てからしばらくこのロケ場所横で車待機。

この写真を撮影したのが6:49だった。もうバスも通行人も行き交いだしていた。

盆明けの日常生活がスタートしていた。

この後めちゃくちゃ晴れた。うだるような暑さだった。酷暑。


■はる SUN BAND   SIZE : A1

【WHO】はる sun band

【WHAT】Autumn Wind Live

【WHEN】2017/11/22

【WHERE】PUBLIC BAR Basic


ハルさんとは、もともと親不孝の居酒屋ウエストで出会った。

彼は深夜のスタッフだったのでよく夜中に会った。丁寧な接客で私の倍以上あるであろう年齢なのに、物腰もやわらかく時には気さくに年齢分け隔てなくお客さんと会話をしていてすごいなと思っていた。

ある日、自身がミュージシャンであることを打ち明けられ被写体として興味が沸いた。2017年2月に彼の企画したライブイベントに足を運んだ。還暦だった。倍以上というのは言い過ぎだったが、それでも私の父親くらいの年齢はあった。

還暦ライブイベントを成功させたはるさんは、次に11月にイベントをおこなった。

これはその時の写真だ。

使用機材

EOS 5D MARK2  EF70-200 F2.8

ISO 5000 1/125 F2.8 クリップオンなし

小さなライブハウスで70-200を用いる練習をしはじめたころだと思う。

その年の9月にあるライブで使用している人をみて固定観念を捨てた。

これは70mmで撮影した。きれいだなと思う。

このライブハウスは照明がいい意味であまり変わらないので、撮影しやすい。

おちついて表情を狙える。




■カシミールナポレオン SIZE : A1

【WHO】カシミールナポレオン

【WHAT】ヨコチンロックカーニバル2018

【WHEN】2018/10/13

【WHERE】Voodoo Lounge


カシミールナポレオンを見たのはこの日が初めてだった。名前は当然知っていたがなかなかタイミングがあわなかった。奇しくもこの日が10年に一回しか現れない幻のメンバー「ミツ」が出現した日だった。

左のアルミホイルを身にまとっているのがその彼だ。

この写真は、向かいのステージでボギーさんのバンド「ノントロッポ」が演奏しているのを見ているシーンだ。何とも言えない彼らの素が出ていてたまらない。

ライブもやってないのに何がライブ写真かと言うだろうが、好きなだけ言えばいい。

使用機材

EOS80D  Tokina 10mm Fisheye 3.5-4.5

iso500 0.6ss f14  クリップオンを直光


いわゆるスローシンクロで、後幕シンクロにしてシャッターは「バルブ」モードにしている。そして、レンズはマニュアル。これが基本的な撮影スタイル

この写真だけなら、後幕シンクロは不要だなと思う。

当然連射などできないので、一枚ずつ撮影。なるべく構図がずれないほうがいいので構えたまま微動だにせず待機した。実際には6枚くらい撮ったと思う。


「誰をいつ撮ったか」


これがライブフォトグラファーの個性になると思っているなかで、そんなの抜きでこの写真はとてもHBK!らしい写真だなと感じている写真。



ヨッシュミーア(Leetspeak monsters)が彼らのことが気になりすぎて夢にも出てきたと言っていた。いつか対バンしてほしい。



■空室 size : A!

【WHO】 空室

【WHAT】 gigi 13周年

【WHEN】 2019/5/18

【WHERE】 cafe&bar gigi


イカれた友人、上田(宋秀臣)のバンド「空室」のワンシーン

珍しく彼から念押しで撮影を薦められたのだが、本来はほかの撮影が入っていて断っていた。それが、いろいろなタイミングが重なりこのイベントに行けるようになったので撮影しに行った。

クリップオンの電池入れ忘れや、そもそもクリップオンが問題あるらしくカメラボディが認識しないためライブビュー撮影時に発光しないという境遇に見舞われながらも対応しながら撮影した。

ライブ会場はものすごく薄暗かったので、クリップオン必須だった。

ライブが始まって数分後、後方より水が飛んできてビシャビシャになった。カメラも当然濡れた。拭いた。

正体を突き止めて後方に下がった。様子を見てたらまたぶっかけていた。ビールとわかったのはこのとき。このとき1枚撮影したが微妙だった。またぶっかけるのを期待した。

期待通りに彼はバーカンに出向きビールを持ってきた。ありがたい。

彼が3投目をするまでに撮影のリハーサルは終了していた。準備万端だった。

使用機材

EOS80D Tokina 10-17mm Fisheye 3.5-4.5

iso5000 1/60 f5.6

クリップオンは画面左の壁にバウンスさせた。そうすることできっとビールの質感が出るはずと予想した。

奥行きがある場所だったので、厳密には左壁に真横バウンスというよりはすこし前方に角度をつけた。こうすることで奥まで光が届く。

連射はきらいなのでしていない。

この日の写真は、ほかのもどれもトンチキだった。(いい意味で)

展示する都合上、その中から縦写真を選んだ。最後まで悩んだがビール具合でこれにした。


ちなみに、撮影中は絶対に酒を飲まない。


■Leetspeak monsters   size : A1

【WHO】Leetspeak monsters

【WHAT】『Welcome to Monster’s Theater 2019』

TOUR FINAL東京公演 ~迷い子を誘う月夜の宴~

【WHEN】2019/06/09

【WHERE】恵比寿LIQUIDROOM


ここ最近撮り続けているバンドのひとつ。全国ツアーの集大成が東京でおこなわれたので撮影しに行った。

同時に近くのギャラリーで彼らの1年半を展示した写真展をおこなった(ExH写真展2)

初めて行ったリキッドルームは広くて柵もあって撮りやすかった。

使用機材

EOS 6dmrk2  EF24-105 F4

ISO 6400 1/125 F4.0

彼がこのポーズをしたのはライブ中にここだけのはずなのでどの曲かは伏せておく。

ビジュアル系というものと出会い、カメラマンとしても様々な新しい常識をしることになぅった。それはとてもおもしろいし、中にはほかのジャンルで活かせるものもあると思った。

常々、囚われない姿勢でいたつもりがまだまだ。

世界はひろい。ほかのジャンルでの非常識がここでは常識だったり、逆もまた然り。

どちらも正しいのでうまいことやるしかない。


どうやらあまりビジュアル系の世界ではライブ写真を撮る風習がないみたいなので、今後もリート以外にも面白そうなバンドに出会えたらいいなと期待している。

誰か面白そうなアーティストいたら紹介してほしい。



■富士山ボーイズ SIZE : A3

【WHO】富士山ボーイズ

【WHAT】アー写、ジャケ写 撮影

【WHEN】2019/06/17

【WHERE】cheerz


ごく最近に撮影した。ライブ写真ですらないがおもしろいからいいかと思い展示。

じつのところ、急遽展示スペースがあいたのでA1の発注も間に合わなくなったためやむなくこのサイズで展示。

A3を4枚展示するとちょうどいいなぁ、と思っていたら目に留まって即採用。

使用機材

EOS 6D MARK2  EF17-40mm F4

ISO1600 1/80 F5

真上バウンスで撮影

撮影自体も2カットずつ撮影だったので、ものの2分で終了

といっても、その前にダムドのアレを完コピ撮影に1時間要したが

それがこれ

本家のソレは、自身の持ってるレコードなりCDなりと比較してください。




これで解説を終わります。

REKCS 2019の展示が少しでもおもしろくなりますように


感想の際は #REKCS_2019 を忘れずにお願いします

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